序章の序章

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アルタル国の学校は女子だけが通う事が許されており、5歳から18歳までに基礎知識や部門毎の専門知識を学ぶ事になっている。 一方男子については生まれた時から施設に入れられて「良い奴隷」について15歳の誕生日まで教育を受ける。その施設名を「奴隷教育施設」と呼ばれている 僕が通っている学校とは奴隷教育施設の事であり、学校の授業は殆んどが女性への接し方が主な内容だが、一般的な基礎知識についても1週間に1,2時間の授業も行われる。 化学や数学等の基礎的な事しか教えてくれないが、その授業が始まると楽しくてしょうがない。女性に生まれていれば絶対に科学者を目指したのだろうと思う。 他の生徒が奴隷教育施設から同じ敷地内にある学校に通うなか、僕の場合は特例で15歳の誕生日まで奴隷教育施設に預けられず、城から通う事が許可されている。 他の生徒は生まれた時から奴隷になるために奴隷教育施設に入れられ、他の選択肢すら与えられない。 人間であって人間では無い 基本的には男性は自分の両親が分からない 何故なら男性は人工的に造られているからである。 受精卵を人工羊液で育てる。事前に男性が産まれる様に遺伝子操作を行い、凶暴性を招く神経物質が必要以上に分泌されない様に、人工羊液で育成している時に治療を行うのだ。 そのせいか男性は穏やかな性格をしており反発する男性はいない ただし、いくら人工的に造られていると言っても人間は人間である。女性が生まれない様に遺伝子操作しただけで人間の感情は失っていない。 男性の主な役割は子孫を残すための授精用精子の採取が男性造りの目的であり、高い能力を持つ男子の精子は高額で売買される。 いくら科学的に遺伝子操作をしても突然変異による男性が現れる。 そんな男性が性犯罪で女性に害を及ばせない様に、全男性に対して15歳の誕生日に生殖器の神経を切断されてしまうのだ。いくら興奮しても生殖器に反応はない たとえ犯罪抑制の為とはいえ、この制度が導入された事により肌の交わりによる子供は誕生しない。 この世に臨まれて母親から生まれる男性はいないのだ。 何でこんな世の中になってしまったのだろう・・・・ このアルタル国を建国した僕の祖母は、本当にこんな国を望んでいたのだろうか?
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