86人が本棚に入れています
本棚に追加
周りからも祝福をされ、いつもどんな時でも私を認め、肯定してくれる修ちゃんとの付き合いは‟幸せ”そのものだった。
それと同時に、その幸せが怖くもあった。
やっと幸せになれたのだ。自分を必要としてくれる人が現れたのだ。だから大丈夫。
何度も何度もそう自分に言い聞かせた。
けれどやっぱり怖かった。
自分は本当に必要な人間なのだろうか。修ちゃんは私で本当に良いのだろうか。
一人でいる時間にそんなことを考えては、勝手に不安になり落ち込んだ。
「私のこと好き?」
「好きだよ。好きじゃなきゃ付き合っていないよ。要は何回もそれを聞くね」
私がそう尋ねる度に、修ちゃんは笑いながら私の頭を撫でた。
面倒くさそうな反応は一切見せず、いつもきちんと私に向き合ってくれる。そんな彼と一緒にいたから、私自身も少しずつ‟私”を認めることができたのだ。
「要は自分を卑下しすぎだよ。もっと自分のことを好きになってもいいんじゃない?俺が好きな要のことを、要自身にも好きになってもらいたいって俺は思ってるよ」
最初のコメントを投稿しよう!