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ペラペラと説明書を捲り、修ちゃんは私の隣で感心したように呟いた。
そう、それはまるで‟子供を育てる”といった感覚に近い気がする。そうであるのなら、私には無理だ。
情もなにもない、冷酷なロボットが誕生してしまうことが今から容易に想像できた。…そもそも、ロボットに‟情”なんてものが宿るのかは謎だけれど。
「確かに人工知能は搭載されているという話です。ですが、どうやらこのロボットに関してはそれだけではないようでして…」
半ば困ったように、店長はハンカチで自らの額を拭った。
「実は、このロボットがうちに搬入された際、海外の研究所の方々も一緒に説明をしに来て下さったんですが、なんせ外国の優秀な方ばかりで、その説明を全て理解することが私共も難しくて…」
その発言に私も、そして修ちゃんも首を持ち上げる。
それはつまり、よく分かっていない、これから先何が起こるかも分からない試作品段階である海外のロボットを一般の家庭へ送り込むということではないのだろうか。それはさすがに……
「ねぇ修ちゃん、お断りしよう。なんか、ちょっと怖いよ…」
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