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「あらぁ、そうなの?じゃあ大澤さんと同じくらいの年齢じゃないかしら?ねぇ!大澤さん?」
「えっ!?」
職員用玄関で彼の対応をしていた大先輩である池田さんは、そう大声で放ち振り返って私の名を呼んだ。
その拍子に、こちらに視線を向けた彼とバッチリと目が合ってしまった。
まずい。覗き見していたことがバレただろうか…。
「えっとぉ…?」
無視をする訳にもいかず、とりあえず私もノコノコと玄関口へ歩みを進め、池田さんと彼を交互に見た。
「こちら、ライフメディカルさんから来た新しい担当の方で牧野さんていうんだけどね、25歳になったばかりなんですって!若くて羨ましいわー!確か大澤さんもそれくらいの年齢よね?」
隣に立つ私の肩をパシパシと叩く池田さんは ねぇ? と再度、私の顔を覗き込んだ。
介護職歴20年以上のベテランである池田さんは、いつも元気で豪快な性格のため利用者さんからの評判も高い。
とても頼りになる先輩ではあるのだけれど、威勢が良すぎるのが玉に瑕だ。
「あぁ、じゃあ1つ学年が違うかもしれません。私は今年で24になったので…」
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