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驚いて振り向くと、そこには先程までと同じ、嘘偽りない笑顔の彼が立っていた。
「でっ…でも、」
「ほらぁ!いいじゃない、いいじゃない!行ってきなさいよ!あっ!確か大澤さん、明日お休みよねぇ?」
「は…はい」
「牧野さんは?明日お仕事?」
「いえ、僕もちょうど休みです」
「そうなの!?じゃあ明日に決まりね!駅前に12時集合でいいかしら?」
「えっ!?あの、ちょっ…」
如何にもワクワクとした素振りを見せ、パンッと両手を叩く池田さんを慌てて止めようとしたのだが…
「はい!大丈夫です!」
「えっ」
間髪いれず、彼は笑顔で了承した。
こうして私の意見は一切聞き入れてもらえずに、出会ってすぐの彼とあれよあれよとご飯に行くことになったのが全ての始まりだった。
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