第2章 『頭から?尾っぽから?』

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落ち着かないのか、きょろきょろと辺りを見回したり、靴下を上げたり、前髪を直したりと所在なさげだ。 お店じゃ、ハキハキしてるのになぁ? あれか。 朝からたい焼き食べるのが恥ずかしいとか?誰かにこんなところを見られでもしたら__というオーラを、美代ちゃんはびんびんに発している。 「学校、楽しい?」 「えっ、はい、普通、かな?」 「いつもお店の手伝い、頑張ってるよね」 「うん。でもバイト代出るし。それなら他のところで働くよりはいいから」 「そっか」 会話が途切れる。 あとなに話そう?『彼氏いる?』とかはセクハラになるかな?部活__は、やってなさそうだしな。 どうしたものかと考えていると「それ」と、美代ちゃんが指差す。 「うん?」 「それって、焼けるんですか?」 『それ』とは、焼き台の前に飾ってある、たい焼きの鉄板だった。 「焼こうと思えば焼けるよ。生地とかは、これ用に作らないといけないけど」 「1枚ずつ焼くんですか?」 「そう。これは【一丁焼き】っていうんだ。昔はみんな、これで1枚1枚、手焼きしてたんだ」 「あんまり焼けないから大変そう」 「うん、その通り」
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