without you ③

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「…黎、俺は大丈夫だから…」 それでも尚連中が走り去った方を睨んでいると、背中に張り付く温もりと優しい香り。 腹へと回された腕をそっと撫でる。 「怪我してないか?皓太」 「全然。黎が直ぐに来てくれたから」 皓太の腕をそっと外し体の向きを返す。 思った以上に近い位置で俺を見つめる皓太の眼差しに、心が震えた。 「5年前にこのガードレールの前で逢ったんだよな、俺たち…」 皓太の指先が俺の頬に触れる。 「…だから待ち合わせ場所にしたんだって言ってたろ?」 皓太の指先を手に取り唇を寄せる。 「皓太…欲しい。皓太の血が…皓太が…」 抱き寄せ首筋に唇を寄せる。 「…っ、黎……早っ…く、帰ろう…」 「…皓太、今日はココから血を飲みたい…」 そう言って太腿の内側を撫でると、小さく震えながらも頷いてくれた皓太の体を更に強く抱き締めた。 あの時と変わらず今でも時折見せる少年の様な表情と、すっかり大人になった逞しい体 それらすべてが俺を捕らえて離さない。 身を切る思いで体を離し、皓太の手を握り足早に歩き出す。 黙って俺に腕を引かれるまま歩く皓太が、強く握り返してくれる掌の熱さに頬が緩む。 皓太が俺の傍に居てくれるなら、それで良い 皓太無しではいられない。 それが俺の総て…
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