without you ③

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without you ③

「黎、今度の連休はどうするんだ?」 「ん~、何日か休みが貰えた筈だけど?皓太は?」 「俺は今日バイトのシフト表を貰うから」 「じゃあ、それを見て俺の休みを決めようか」 「うん!ついでにちょっと早いけど俺の誕生日の予定も考えようぜ」 西の空に傾く夕日を見ながら二人手を繋いで、俺は仕事へ、皓太はバイトへと向かった。 仕事を終えホテルを後にする。 皓太ももうバイトを終え、いつもの待ち合わせ場所で俺を待っている筈だ。 あの角を曲がれば待ち合わせ場所という所まで来た時 「テメェの所為で女に逃げられただろが!!余計な事しやがって!」 「嫌がってるコを無理矢理連れて行こうとしてたからだろうがっ!」 「何だとぉっ!!?貴様っ!!」 穏やかじゃない会話の中に皓太の声が聞こえた。 急いで角を曲がると四~五人の男に囲まれた皓太が見える。 その中の一人が皓太の腕を掴んだ瞬間、俺の中で何かが弾けた。 「おいっ!!」 「黎っ!」 「何だぁ?!誰だ?コイツの連れか?おま…」 皓太の腕を掴んでいた男の手を払い除け、その胸倉を掴む。 「…こいつに何か用か?…話なら俺が聞くぞ?」 故意に殺意を込めた眼で目の前の男を睨む。 次の瞬間、ガタガタと震え出す男。 俺の気迫とその男の様子に恐れをなしたのか、その場に居た連中が尻尾を巻く様に一目散に走って行った。
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