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第三章
第三章 魔女様
燃え盛る様な髪は真紅。
透き通る程純白な肌には翡翠の眼球が埋まっている。
勝気そうな少し吊り目のその人は不機嫌そうに鼻を鳴らした。
長い髪を一括りに乱雑に三つ編みにしている。
まるで塔の上のラプ○ツェル赤髪バージョンみたいだ…と私はそう思った。
纏っている衣服は黒で、夜空を連想させる。紋様が散りばめられており其れは幻想的な輝きを放っていた。
マーメイド型のスカートに半袖黒セーターを組み合わせたワンピース。
その上に床まであるローブを羽織っている。
冷静に考えている様に見えるが、心音はドックドクである。
さっきまでのは本能からくる警戒?のドックドクなのだが、今は違う。
……………ヤバいこの子?めっさ可愛い。
本能の恐怖に、私の性癖が打ち勝った。
立っている彼女の見た目は魔女っ子。
魔女っ子好きなんだよな、、、、、
まさか異世界にきてこんな癒しに出会えるとは、、、
年齢層が10〜13くらいのロリっ子っぽい所もストライクである。
フンっとちょっと偉そうな所も良き。
もし此処にお姉ちゃんがいたら、迷わず私を警察まで届けてくれただろう。
もうときめいちゃって、私心臓が爆発しそう!
少女漫画でよくある系の謎シーンをBGMに魔女様?をじぃっと見つめる。
はっ………だらし無い顔をしていた。イカンイカン。
キュッと顔を引き締めると、私は多分魔女様?に向かって一礼する。
もう魔女様?が人間かどうか〜とか何で気配探知に〜とかもうどうでも良くなっていた。
「すみませんでした魔女様、挨拶もせずに。私はフォグと申します。貴方様の名前をお伺いしてもよろしいですか?」
やべっ、何か貴族の挨拶みたいな感じになっちった。
その場の流れで偽名使っちゃったし、魔女様かどうかも分からんのに……………
チラリと魔女様?の顔を覗き見ると、無表情だった。
ゴミを見るような目付きである。
不機嫌そうで無いだけマシだが、何故か傷つく………
心読まれて無いよな?読まれてたら嫌なんだが……
「フン、礼儀作法だけは弁えているようだねぇ、堅苦しいけども。あと、私に近づかないでくれないかい?半径2メートル離れておくれ。私の名前はイグニスだよ。」
半径2メートルか…………よし。
後ろへさささっ……と下がる。
何で下がらなければいけないかとても理由が気になる。
本当に。
魔女っ子兼魔女様に罵倒されると新しき癖が生まれそうだが、残念ながら私はMでは無い。
Sなのだ。
「イグニス様、、、とお呼びしても?」
「あんたに呼ばれると何か気持ち悪いから駄目だね。あと、もう1メートル離れておくれ。」
「手前ごときがすみませぬ。では、魔女様とお呼びします。」
次は、何か江戸の木端役人だな。
そしてまた、さささっと後ろに下がった。
お目汚しでしたかすみませぬ。
「で、本題に入るがあんたは何でこんな所に来たんだい?薬の依頼?誰か呪いたい者がいる?それとも……」
ニヤァッと可愛らしい顔を歪めて魔女様は笑った。
大体こう言う笑い方をする人は相手が恐怖心に陥るのを狙ってやっているが、全然怖くない。全然怖くないです魔女様。
むしろ可愛い。
あと誰かカメラ!カメラ持ってきて。
ちょっとスクショしたい。永久保存ですよ永久保存。
異世界から地球へお持ち帰りします。
本当は、本物をお持ち帰りしたいけど!
「何か教えをこいにでも来たのかい?」
魔女様、、、話が早い。
私の要件や、行動全て分かっているかのようだ。
モード切り替えでシリアスな感じにいきますか。
「えぇ。私は、貴方様に教えを乞いに来ました。」
「魔女様、私は………」
手を胸に置き主張するように胸を張る。
膝を床について魔女様の方に手を伸ばした。
客観的に見ると、随分距離の離れたプロポーズシーンだ。
土下座の方が良かったかな?
私の偏見でしかないが大体、少女漫画の告白シーンには百本のバラが後ろに置いてあるーとかが定番なのである。
私何も持ってないもん。
大丈夫だいじょうぶ。
まだ、魔女様にロリコンとは思われていない。
さっきから魔女様は私の事をまるでやばいヤツを見る様な目で見てくる。
多分、魔女様は少し勘違いをなされているのかも知れない。
魔女様見た瞬間私の顔は赤くほてっていただろう。(主に興奮によって。)
そして、明らかに尋常なる心臓の音。(主に興奮によって。)
完全なう一目惚れシーン。
そしてそのままの勢いによる告白!!!にはならない、ならせない。
完全なるヤバいロリコンと言う不名誉な称号は頂戴したく無いものだ。
それに一目惚れでは無い。一目推しである。
此処の違い大切ね。
ふっとお腹に力を入れて一息にその言葉を吐き出す。
「私」は
私は。
「貴方様に弟子入りしたい。」
にっと笑う魔女様。
さっきの笑い方より可愛らしかった。
「正直言って、お断りしたいが…………..」
やっぱり駄目ですか………
にしても「が」の続きが気になる。
もしかして………?
「面白そうだから良いよ。これからあんたは私の弟子だ。其れを弁えて行動しな。」
この馬鹿弟子っと吐き捨てるように言った魔女様を見つめ、暫く呆然となる。
弟子入り?
誰が?
誰に?
結論。
い、い、い、いよっしゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
歓喜の舞っっっ!!!!
……………てか、何で元々王家の特権使えるカードを悪用して弟子入りするつもりだったのに、こんなことになってるんだっけ?
そもそも私としては喜んで良い所なのか?
魔女様ってどんな人かも分からない、目の前にいる魔女が本当に魔女様なのかも分からない。情報不足のままノリで来てしまったからな。
弟子入り言ってただの雑用係としてこき使われる〜とか定番だぞ。
しかも魔女様私の弟子入りOK理由面白そうだからって言ったな。
もしかして早まった?
まさかね。
それでもまぁいっか。
だって魔女様可愛いもん。
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