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後悔
異能な転生者への道
俺が戦場を馬で魔法師を5人だけ連れて走っていく。
馬の速さで走ると、そんなに時間はかからずに、現場に着くことができた。
今、いるところは現場を見下ろせる小高い丘。
やっぱり戦場は離れて見るのが一番、今、距離は離れているけど、両軍が戦っている。
しかし、数が異常に多いなと思った、それも敵の数が多いような気がする。普通は戦う時に、魔法師と剣士を組ませるのが普通だけど、敵軍は魔法師よりも剣を持っている奴らが多い。
それも、装備もつけていない兵が剣を持って戦っている。
軍隊と言っても正規兵もいれば冒険者もいる可能性があるし、志願兵もいるだろう。
俺は、小高い丘から魔法を放つことにした、ここは、ルーファス王国の土地だから、敵兵は侵略してきている。
放つ魔法はファイヤーボール。
魔力切れも起こさないようにセーブしながら、ファイヤーボールを作ったけど、俺が軍の試験に受かった時に使った爆裂のファイヤーボールだ。
しかも、その時よりも威力も増している。爆発の範囲が桁外れの爆裂を放つ。
俺は検索魔法で、動きが少なく、後方にテントがあるのを確認しているので、そこに爆裂魔法を放つ。
結構、距離があるが、大丈夫だと思う。
俺が放ったファイヤーボールは、遠くまで飛んでいき、そこで大爆発を起こす。
『ドカ〜ンンン』地震が起きたように地面が揺れる。
検索魔法で確認してみたが、もう、そこにはテントはない。
「よしっ、次は、東に行くぞ」と俺が言うと「おい、司令官、すごいな」と言う声を耳にした。
俺は東に馬を走らせて、2時間後に到着したけど、増援しても押され気味だった。
俺は、また、ファイヤーボール風な爆裂魔法を戦っている人の後ろにいる奴やに発射した。
しかし、敵軍からも魔法が飛んできて、俺の爆裂魔法に挑んできたが、俺の方が威力が強かった。敵の陣地に落ちはしたけど、少し威力が落ちてしまった。
しかし、俺の爆裂魔法を見た、味方の兵士が、一気に押し返し始めた。
俺が連れてきた5人の魔法師は、ここに残していくことにした。
俺は役目を終えたと思うので、もと居た場所に戻ることにした。
「あとは、頼むぞ」
「はい、わかりました、アル司令官」
*
俺は、快調に馬を飛ばして、今は中間くらいの森の中だ。
あと1時間くらいで、司令官テントに到着する。
だけど、俺に向かって一本の矢が飛んできて、俺の背中に刺さった。
「しまった、油断した」と俺は、思った。
あと1時間くらいで到着すると気を緩めてしまった。
俺は痛みを堪えながら、馬を走らせながら、索敵魔法を展開してみる。
しかし、敵はいない‥‥‥、敵がいないが、味方の剣士がいるだけだ。
「??」おかしいぞ
俺は矢が一本、背中に命中しているけど、回復魔法をかけながら、馬で逃げていく。
回復魔法を自分でかけながら、走るけど、振動で痛みに苦しみながら、我慢する。
しかし矢が刺さったままだから、回復魔法が効かない。
どうしてか、わからないけど、味方の剣士の3人から追われている。
他には人はいないから、この3人が裏切ったのか?
俺に矢を放ったのは、この3人に間違いない。
馬を走らせながら、どうする? と考えて、このままじゃ、逃げきれない。
俺は馬を止めて、3人に向き合った。
そこに3人も、俺の目の前に馬を止める。
「これは、これは魔法師の司令官様じゃありませんか、どうしたんです?」
「‥‥‥」
「背中に矢が刺さったままじゃ、しゃべれませんか?」
「‥‥‥」
「どうしたんです?」
「お前ら、どうして、俺を狙う?」
「だって、司令官さえいなくなれば、俺たちが報酬をもらえるんですよ」
「なんだって?」
「俺たちは、ガルシア帝国から、報酬をもらうことになっていましてね」
「報酬?」
「そうですよ、あなたが強すぎるから、どうにかして殺すことができないか、と依頼されましてね」
「ちょうど、あなたが東に行くのが見えたんで、たぶん、戻る時には、ここを通るだろうと思いましてね、待っていたんですよ」
「貴様ら、ルーファス王国の軍人だろう?」
「そうですよ、俺たちはルーファス王国の軍人ですよ、あなたみたいに出世もできずに、可愛い姫様とも結婚できずに、一生を終えるなんて、馬鹿らしい」
「お前らが努力もせずに、いたからだろう?」
「ええ、俺たちは才能がないもんで、そりゃ、あなたは才能がおありでしょよ」
背中の矢が刺さっているので、目が霞んできた。
これは毒矢か。
「やっと気づきましたね。それには毒が塗ってあるんですよ」
「‥‥‥」
くそ、聖属性魔法で毒を消すことができるらしいけど、俺には使えない。
「ええ、あなたのことは調べ上げていますよ、毒を消す魔法はないってことくらい」
「これで、俺たちは、大金持ちだぜ」
「やったな〜」
「あとは、もう、死ぬのを待つだけだぜ、やったな〜」
俺は頭が朦朧もうろうとして、魔法を発動できなくなってしまった。
毒の影響がかなりあり、考える力さえ奪われてしまった。
俺は足元がふらついて、地面に倒れてしまう。
「ヒャハハ、やったな。これで大金持ちだ」
俺はなんとか、意識を保つことに成功して3人に今の状態で出せる普通のファイヤーボールを作って近くに立っている3人に向かって放つことができた。
3人は、炎を受けて、『ぎゃ〜」大きな声をあげながら燃え上がる。
地面に転がりながら、炎を消そうとするけど、簡単なことではない。
一人は地面に転がり、もう一人は走りまって消そうとしている。
もう一人は、もう住んでいるみたいだ、倒れて動かない。
俺は倒れたまま、自分に回復魔法をかけ続けている。
聖属性魔法の方が効果はあっただろうが、使えないので回復魔法でしてみたが時間と共に、立てるようになってきたけど、まだ、ふらふらだ。
俺が検索魔法をしてみると、敵の兵士に囲まれていることがわかった。
今は、立つのがやっとだ、このままじゃやばい。
馬を探したが、見つからない。
俺は、よろよろと歩く出すけど、逃げることはできないみたい。敵の兵士が、もう近くまで来ている。
「ハァ、ハァ、くそ、体が動かない」
敵の兵士がもう、見える位置まできて俺が顔をあげると、見知った人だった。
「ごめんな、アル、俺も家族が人質になっているんだ」と目の前で剣を構える奴が行っている。
「そうですか、家族が人質に?」
「うん、そうなんだ、俺も後ろからも敵に狙われているから逃げることもできないんだ‥‥‥
戦争を仕掛けてきた敵は、俺たちの食料だけじゃなく家族も人質に取られてな、俺も後ろから狙われる有様なんだ」
「‥‥‥そうなんですね」
「お前さえ、殺せば、奴らは解放してくれるって言うんだ。だから、アル、知り合いのお前には悪いけどな‥‥‥」と言って俺に剣を突き立てた。
「ウグッ、 家族を解放してくれればいいですね」と言って俺は意識を失って地面に倒れた。
俺を見ていた敵の兵士は「やったのか?」と聞いてきた。
「はい、私が殺しました」
「それじゃ、お前も用無しだ」と言って殺してしまった。
俺の上に倒れてくる。
その時に俺は意識を取り戻した。
くそ、やっぱり殺されたか。
「はぁ、ライラァ」と叶わぬ恋人の名前を呼んだ。
*
そこ時だった、俺の目の前にはライラが座っていた。
急に現れた俺にライラは、驚いたけど、俺だとわかると、すぐに近づいてきてくれた。
そう、俺はライラに会いたい一心で、ライラの元に瞬間転移したのだった。
使えるはずもない瞬間転移‥‥‥
俺はライラに手を伸ばして「ラ‥イラ」とつぶやいた。
ライラは俺の手をとり、涙する。
「味‥味方に裏切られた‥‥‥」
「そんな、アル、大丈夫よ、私がついているわ」
俺の体温が徐々に抜けてゆく感覚がある、床が冷たく感じる。
ああっ、俺、ここで死ぬのかな?
「アル、しっかり」とライラは手を握ってくれる。
ライラの手は暖かいけど‥‥‥俺はドンドン熱を奪われていく。
「イヤよ、アル、目を開けてよ、死なないで」
床の冷たさが、冷たく無くなってきた。
俺はゆっくりと瞼を閉じていき俺の心臓の音が止まった。
「イヤッ、ねえ、アルッ」
ライラが握っていた手が床に落ちる。
「いやっ ‥‥‥ いやよ、アル、私を置いておかないで‥‥‥」
もう一度、ライラは俺の手を取るけど、もう死人の手になっている。
「アル〜、うっ、うっ」とライラが嗚咽おえつしながら泣き出す。
しばらく泣いていたライラは立ち上がって、咄嗟とっさにテーブルの上に置いてあった果物ナイフで、自分の首を切ってしまった。
ライラの首から血が噴き出していく。
首から多くの血が流れるけど、ライラは、それでもふらつきながら歩いて、俺の横までくると、俺の手をとり、俺に重なりながら倒れた。
そこに騒ぎを聞きつけた兄の王子が部屋の中に入ってきたが、部屋の惨状に驚き‥‥‥どうして出兵した俺がいるのかも考えもせずに、息をしているか、確認したが、もう二人とも息はしていなかった。
王子は俺たち二人の手を、合わせてくれた。
「‥‥‥‥‥‥」王子は二人を見ながら、涙を流している。
「くっ、どうしてなんだ?
こんな幸せそうな二人を死なすなんて
もし、神が、この世にいるなら、どうして二人を死なせたんですか!」
「嬉しそうな妹の笑顔を見ることは、もう、今となっては‥‥‥、くそっ」
「許さん、ガルシア帝国め」
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