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「目の前で叫ぶな!」
「心の友だろ!? マブダチだろ!? リアクション薄すぎて引くわ!」
「女モン着てようが全裸だろうがコイツはコイツだし、テメェらがじゅうぶん褒めてんだから間違いねぇんだろ。これ以上なに言えってんだ」
無造作に伸びた後ろ髪を片手でガシガシかき回しながら、太鳳を睨みつける朔。
暗に〝感想がない〟とも取れるけど、なんていうか、太鳳や先生たちの評価を真に受けているようにも取れる。
朔が誰かを褒めたりするのは相当稀なことだし、みんなの評価を受け入れてくれてるなら、きっと悪くないんだ。なんだかじーんとしてしまう。
思わず朔の方を見つめて、
「朔……」
なんて感極まった声をあげたら。
「………………」
ものすごぉーく、嫌そうな顔……もとい、怪訝そうな表情でオレのことを見てくる。
前にもあったな……こんなことが。
「お喋りはそのへんにして、いい加減仕上げるぞ。出し物の当番があるんだろう?」
「せやな。秋月もぼちぼち着付け済ませよか」
「はーい」
「……おう」
あぁ、そうだった。
劇に出るからクラスの受付当番は午前中にしてもらったんだっけ。早く着替えて行かないと実行委員に怒られちゃう。
朔が四楓院先生と少し離れたところで着替え始めたのを横目に、オレは太鳳が用意した椅子に腰掛ける。
座らないと阿曇さんの手がオレの頭に届かないもんね。
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