level.6

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 大学の食堂でミルクティーを啜る峯は目の前の男の熱視線に耐えかね、目を泳がせる。 「ねぇ、その黙ったままじっと俺を見つめる癖やめてくんない? 何考えてんののかわかんなくて、俺、どうしてていいのか困る」    テーブルに残された左手に桐谷は手を添えて、わざと指でいやらしくなぞった。 「──早くお前の中に入りたい」 「ブッ! もっ、そういうのマジでやめて! 心臓が持たないんだって!」  峯は口から溢れたミルクティーを必死にティッシュで拭いながら誰かに聞かれてはいないかと、不安そうにすごい速さであたりを見回した。 「ふぅん、純情ぶっちやってぇ〜」と嫌味っぽく桐谷は伏せ目がちに笑う。 「ぶってない! それに……俺のことはお前が汚したんだろっ」 「うん、そう」 「バカっ!」  潔くからりと笑う桐谷に、うっかり心が震えてしまうのを峯は秘密にしておいた。
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