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「凛人……」
耳元で下の名前を囁かれて峯は熱っぽい瞳で桐谷を見つめ返した。
「なんでだろ……名前呼ばれるとか、普通のことなのに虎羽に呼ばれると、心臓がドキドキする……」
「俺も好きだよ、お前に名前で呼ばれるの──」
「虎羽が好きなのはセックスだろっ、言ってるそばから胸ばっか弄って、嘘、つき……」
「うん、好き。お前とするの大好き」
甘いキスで騙されて峯は簡単に身体の力を失くした。
「凛も俺とするの好き? 気持ち良い?」
「うん……すき、きもちいい……」
スイッチの入った峯は最早無敵だ。簡単に可愛く鳴くし、素直に本音を語る。キスすら知らなかったくせに今では何度も舌を出してそれをせがむ。
「凛、舐めて?」
「うん……」
裸にされた峯は素直に桐谷の雄を口で咥えて、教えられた通り愛撫する。先を何度も舌でこじ開けて、深く奥まで咥え込んでは舌で舐め上げた。
最初は恥ずかしがって、なかなかしたがらなかったくせに、今では自分がした愛撫で桐谷がそこを固くして気持ちよさげに吐息を漏らすのを嬉しそうに見ている。
一緒に揺れている小さな尻すら桐谷には可愛くて、途中で我慢できずにすぐに峯の身体に喰らいつく。
峯はどこを触ってもすぐに甘く鳴いては桐谷をいつも狂わした。
最近は堪え性のなさがどんどんひどくなってきていて「はやく、ねぇ、虎羽……はやく挿れて……」と自ら強請る始末だ──。
「凛が好きなのはセックスだな」と仕返すように桐谷は笑う。
「いじわる……」
頬を膨らませて拗ねる峯に桐谷は微笑みながら口付ける。
ゆっくり峯の中に入ると、峯は幸せそうに吐息を零す。
「あっ……、おっきぃ……。虎羽の……中……入ってくる……」
キスしながら奥深くまで繋がると、一際峯はそこを強く締め付けた。
「痛くない? 大丈夫?」
「うん……へぃき……、気持ちい……。中、擦って……あそこ、虎羽のでもっと擦って……」
峯は自ら腰を揺らして、桐谷を誘う。いつからこんな乱れた男になってしまったのだろうかと桐谷は少し胸が痛い。
望み通りに峯の好きな場所を擦ってやると嬉しそうに声を漏らした。
「あっ……あん……ん、そこすき……っ、あ……っ、やだ、もっと動いて……っ虎羽、ねぇ……」
「淫乱」
「ぜんぶ虎羽のせいだよ……」
「そう、俺のせい──」桐谷は満足げに微笑んで峯の願いを全て叶えてやる。
何度も何度も峯が好きな場所を抉っては奥まで貫く。ギリギリまで抜くと峯は不安そうにそこを締め付ける。狭くなった場所を再び穿つと峯は大きく喘いで呆気なく果ててしまった。
「あっ……も、やだぁ、俺もう、イッちゃった……また、虎羽のこと、待てなかった……」
「いいよ、待たなくて。何かのルールなの? それ」
いつもべそをかいて峯はそれを反省するのが桐谷は不思議だったが、それすら無性に可愛くて仕方ない──。
「じゃあ凛が俺をイかせて、俺の上で動いて」
峯は桐谷に起こされ、素直に自ら膝の上に座ると、ゆっくりと逞しい雄を自分の中へと沈めてゆく。
「あんっ……、おっきぃ……無理、これ以上入んない……」
「全部入るよ、本当は知ってるくせに」
「だって、怖い……奥まで当たっちゃったら……俺またすぐイッちゃうもん……」
「そしたらまた挿れてあけるから。ホラおいで」
「そうじゃなくって、ヒャアッ!」
腰を掴まれて峯はピッタリと膝に座らされ、目と口を瞑って必死に達しそうになるのを堪えていた。
「凛、動いてよ」
「ま、待って……ゆっくり、する、から……」
峯は桐谷の肩に両手を乗せて、ゆっくりと腰を動かし始める。やわやわとじわじわと、優しくされる抽送に桐谷は勝手に笑みが漏れる。
「もおっ、笑わないでよっ」
「お前が可愛いから仕方ない、お前のせい」
ペシリと尻を叩かれ峯は小さく悲鳴を上げる。
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