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「あら、ずいぶん綺麗な死神さん。こんにちは」 「驚かないのですか? 」 私の反応に彼女、ゆまと名乗った死神?はずいぶん拍子抜けしているようだった。 「驚くというか、綺麗だなって」 我ながらどうかしていると思う。でも医者から余命宣告を受けてからどこか現実味がなくて、今もどこか夢であったらと思っている自分がいる。だからだろうか。目の前に彼女が突然現れても、驚きというより興味が勝ってしまったというか。 「夢ではないのですが……褒めていただきありがとうございます。私は死期が近い貴女の魂を見守るためやってきました。少しの間ですが、よろしくお願いいたします」 ふわりと床に舞い降りた彼女は礼儀正しく深いお辞儀をする。 真っ白い病室に黒いワンピースだけが異質だった。 「やっぱり私、死ぬんだ」 口にすれば少しは実感できるのはないかと思ったが、そうでもなかった。 「もう少し先ではありますが、残念ながら貴女はお亡くなりになられます」 一切の顔色を変えずに彼女は淡々とした様子だった。 「さっき見守るっていったけれど、それだけのためにきたの?死神さんて最後の願いを叶えてくれたりするんじゃなかったかしら? 」 見守るだけなら別に姿を見せなくて良いはずだと思った。 「申し訳ありませんが、私たち死神にそのような力はありません。あくまで送るのが仕事ですから」 「ないの……? 」
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