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ぱたりと、シーツに滲みがひとつ落ちた。
そこで初めて自分が泣いていることに気が付いた。
透明な雫は、溢れて溢れて止まらなかった。
何で泣いているかなんて自分でも分からない。
彼女とは会ったことも、言葉を交わしたこともなかったはずだった。
だけど彼女の手はどうしようもなく温かくて、
私はその日初めて人目も気にせずわんわん泣いた。
彼女は何も言わずにぎゅっと、力強く抱き締めてくれた。
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