第7話  ふーん……

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第7話  ふーん……

「お腹すいちゃった」 「そうだな」 「近くにコンビニがあるから買いに行こうよ」 「いいよ」 二人で財布だけ持ってコンビニへと出かけた。 それほど食べたい物もないので、サラダとサンドウィッチ、ストレートティを買った。 横を見ると焼肉弁当にお菓子、アイスまで買っている、すごいなコイツ……。 ベッドをテーブルに戻して食べ始めた。 「いただきまーす!」 「美味しそうに食べるなあ」よく食うなコイツ、もしかして食べたもの全部胸に入ったりして。 「ふむ、ほひひいひょ」 「食べながら喋るなよ!」子供かよ。 「ゴックン、だって聞くから」 「タクちゃんそんだけでいいの?いっぱい食べないと大きくなんないよ」 「どこが?」オレを幾つだと思ってんだよ。 「キャ〜、どこがなんて恥ずかしい!」 「うう……朝から疲れる」 食べ終わったオレは改めてキャンピングカーの中を見渡した。 「ここがキッチンだろう?」 「うん、水が出るし、ガスも使えるから簡単なものなら作れるよ」 「ふーん、冷蔵庫や電子レンジもあるんだ、便利だな」 「でしょう?トイレもあるけど非常用にしか使ってないの、後の処理が面倒だから」 「そうなんだ」 「他には何が付いてんだ?」 「エアコンとかソーラーパネルとかテレビとか、色々」 「へーまるで動く家だな」 一通り説明を聞いたら、今度はリンがノートを持って来た。 「ねえ、中山道の事を教えて?」 黒縁の大きなメガネをかけて聞いてきた。 「お前目が悪いのか?」目も悪いのかよ。 「うん、普段はコンタクトだから」 「いいとこ無いな」おっと心の声が漏れてしまった。 「えっ?」 「何でも無い」 色々と知っていることを話すと、メモをとりながら真剣に聞いている。 「はい、先生!何で中山道が好きになったんですか?」 「ええ……友人にスチュワートって外人がいて、彼がよく中山道を歩いてるんだよ、日本人は何でこんな素晴らしい道を何でもっと興味を持たないんだって言われてね。それに渓斎英泉って江戸時代の絵描が好きな事もあって一度じっくり行ってみたいと思ってたんだ」 「そうなんだ、なんかちょっと楽しくなって来たかも」口角を上げた。 一通りレクチャーが終わると、足元にあったケースをテーブルに置いた。 どうやらメイクの道具らしい、そのままメイクを始めたので、スマホを出してメールの確認をした。 『初めから無理はせずに、徐々に慣れていくように頑張れ』父親からだった。 『はい、そうします』初めからこんな事になってるなんて言えないよな。 『楽しんでるか?日本中のカワイイ女の子に手を出してこい』友達の奏太からだ。 『オレはそんな体力は持ってない』相手はしっかりと選ばないとな。 『ごめんね、見送りに行けなくて』幼なじみの玲奈からだ。 彼女が最後まで行けなかった(0・5)の女性だ、父親のせいで。 『いいよ気にしなくて、のんびり世の中を見てくるよ』今こんな事になってるけどね メールの確認が終わると中山道のことをスマホで検索した。
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