勝負師の判断力

1/1
前へ
/24ページ
次へ

勝負師の判断力

 いよいよ当日。 集合時間の30分前にも関わらず、山ノ上公園時計台広場には沢山の人が集まってきていた。 「どうやら着替えたほうが良さげだな」 周りをざっと見回して、松下は瞬時にそう判断した。 「えっ? でもスーツの人も結構いるみたいだけど……」 「バカ、よく見てみろ。女の子受けしそうなハイスペック組はほぼカジュアル路線だ。駅に戻って着替えるぞ」 いつもはいい加減で領収書も請求しないと出さない松下が、やたらと頼もしく見える。 僕と杉野は黙って松下に従った。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

103人が本棚に入れています
本棚に追加