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気合の松下と空回り杉野
私服の松下は完璧だった。グレーのパンツにワインレッドのタートルニットを着て、黒いジャケットを合わせている。
「おい、もうちょっと気合入った服なかったのかよ?」
僕の一張羅を見て、松下は苦言を呈した。
そして杉野が現れると反射的に叫んだ。
「お前はもうちょっと気合を封印すべきだ。スーツに着替えてこい!」
杉野はアニメキャラクターのパーカーに黒いズボンとキャラジャンパー、挙げ句に大きなリュックを背中に背負っていた。
「スーツはコインロッカーに入れちゃったからもういいや」
「ええっ!? それで行く気かよっ?」
松下は目を丸くしたが集合時間が迫っていたこともあり、それ以上の追求を早々に諦めた。
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