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貧乏神が住みついてから益々貧しくなって行くのにとんと気づかない儘、陋屋に住み続ける阿呆のように多くの日本人は自分たちの生活が益々貧しくなって行くのに政府に騙された儘、自国に住み続けている。蛙の面に小便で、どれだけ悪政をやられても気にかけない儘、政府を批判しようともしない、そんなお馬鹿な状態から抜け出せないでいるのだ。
その多くの日本人とは中間層から貧困層へ蹴落とされた者たち、或いは貧困層からもっと下層に落ちた者たちのことである。
では富裕層はと言うと、給与所得控除の縮小によって課税対象となる金額が増えた給与所得者と違って、その影響がない自営業者やフリーランスや金融所得者など富裕層に入る大半は減税となり、所得税は所得が増える程、高い税率が課せられる超過累進課税だから税率構造の圧縮や最高税率引き下げも富裕層には減税効果が高く、特に所得一億円を超える高所得者層の所得の大半を占める株式譲渡益に対して税率10~20%と低率の分離課税を適用していることが所得税の空洞化の要因となり、高所得者程、所得税負担率が低く、おまけに給与所得者は所得税を源泉徴収されるから節税できないが、金融所得者は合法的に巨額の節税が出来る、これが貧富の格差拡大の要因の一つで尚且つ消費税法施行以来、貧困層は自分らにとって消費税を増税され続け、富裕層の所得税のみならず法人税を減税され続け、その73%を消費税収で政府に穴埋めされている、これも貧富の格差拡大の要因の一つであって消費税収を社会保障費にほとんど充てていないのに社会保障の為に消費税が必要という政府の真っ赤な嘘に騙され続けているのだ。
斯様に金持ち優遇税制を敷くなど政治献金や組織票で恩恵に与っているために自分たちの金回りを良くしてくれる政府と結託して私腹を肥やす財界人を始め富裕層は当然の如く政府を支持する。金権政治に貢献している訳だ。
ユーチューバーなんかでも有名人を始め比較的裕福な者たちが潤っているようで金がある所に金が集まるといった具合に大体に於いて金がある者程、広告収入を得ている。例えば愛猫を売りにしている或る裕福なユーチューバーなぞもバズるのみならず愛猫がCMに出るわ愛猫に関する本が出版されるわで儲けに儲けている。
逆にその影で幾ら後世に残る価値ある小説を書いても日の目を見ない者がいるもので、いつの世でも偉大な業績が認められず生前報われない儘、消えてゆく人物が存在するのだ。その現実に目を向けるべきだが、大半の者は俚耳に入りやすいものにだけ飛びつきがちだから枝葉末節に触れても要諦には触れない俗物らしくトレンドに乗って可愛い猫の写真を観て楽しむことは出来ても埋もれてしまった価値ある小説は読もうともしないのかと思うと、半端でなく遣る瀬無くなる。
それにしても猫というのは人間同様先天的な性格と後天的な性質というものがあるもので件の猫なぞは文字通り猫撫で声を露も漏らさず飼い主にまるで媚びない。それは飼い主が平身低頭な態度ですっかり甘やかしているからで、その所為で物凄い甘えん坊になり、且つ我儘に育っているから態とツンツンして見せたりしてもっと可愛がれアピールする。それでいて温室育ちなこともあり臆病で、その癖、相も変わらず生意気に媚びないから見ていて小憎らしくなる程なのだが、飼い主、取りも直さず件の儲けに儲けているユーチューバーは愛猫様様ということもあって自ら下僕と名乗り、猫様の要求通り猫かわいがりに可愛がるのだ。
視聴者も悪政を余所に知らぬが仏で可愛い可愛いと思って楽しむ。そうして金持ちが儲かり、その影で報われるべき者が報われず闇から闇へと消えていく。最悪の図式と言って良い。せめてもう少しだけ社会保障費を上げて生活困窮者を助けてくれんものか・・・そう願う貧乏人に偶々いい星の下に生まれて成功している金持ちに限って努力が足りないからいけないのだと居丈高に言うもので、悔しかったら勝ち組に這い上がってみろ!お前の言うことは僻みにしか聞こえないぞ!と嘯く金持ちの声が聞こえて来そうだ。
しかし貧富を二極化させる政策に胡坐をかいているのは金持ちなのであって元請である大企業に中抜きされる下請の中小企業に更に中抜きされる孫請の零細企業という産業構造の中で利益率の低い下請企業で働く貧乏人は低賃金になるのは当然で況して低コスト低賃金で雇われる外国人技能実習生のようにピンハネや搾取も余儀なくされる派遣社員となれば努力が報われっこないのだ。
金持ちが勝者であり強者であるとすれば、貧乏人は敗者であり弱者であるが、今や日本は勝者強者を優遇し敗者弱者を冷遇し切り捨てる、正に弱肉強食社会である。殊に大阪は橋下徹が知事になってからその傾向が顕著である。
彼は2008年「子供が笑う大阪」というスローガンを掲げて選挙活動を行い、知事に当選したが、私学助成費を大幅に削減したことで、母子家庭や父親がリストラされた家庭など貧困家庭に於いて益々家計が苦しくなるも学力が伴わず私立高校に進学せざるを得なかった高校生たちに不平不満を抱かれ、高校生との意見交換会に於いて何故、私学助成金を減らしたんですか?減らさないでくださいと訴える高校生たちに対して今の日本は自己責任が原則で誰も救ってくれないと前置きした上で公立高校に進学できるよう努力しなかったからいけないんだというようなことばかり言って押し切り、税金を取るなら教育、医療、福祉に使うべきです!教育に使わないから私たちは笑えないんです!どうにかしてくださいとの訴えに対してもあなたが政治家になって国を変えるか自己責任を求められる日本から出て行ってくださいとこんな酷い無理な無慈悲な無責任なことを言って言い逃れするのだ。
今、日本維新の会は「身を切る改革」というスローガンを掲げているが、この政党の母体である大阪維新の会を結成した中心人物は橋下徹なのであり、偽善家たる彼の言うことを額面通り受け取ったら府民は馬鹿を見るのであって自分の身を切るのではなく、この意見交換会で彼が示した通り敗者弱者の身を助けず切り捨てるのである。この意見交換会は彼のライフワークだった大阪都構想の政策の根幹を顕現した良い例だ。これについてれいわ新選組の山本太郎氏が旨いこと批判している。「採算が取れない部門は閉じたらいい。いらない従業員は切ればいい。会社自体をスリムアップできる。が、社会、国を運営するに当たって経営的感覚を持ち込まれると、会社であれば余剰とされる者を退出させられて良いが、国から退出させられる人間はいない」と。ところが、橋下徹は自分が余計と見做した者を大阪府から退出させていた訳だ。然るに府民は彼を支持し、不平不満を訴えた高校生たちにしても意見交換会が終わった後、勉強しなあかん負けてたらあかんと言い合って自分たちが努力しなかったからいけないんだと反省する始末だ。努力はしたんだろ。でも、ざっくばらんに言って頭が悪いからあかんかったんだろ。だから公立に行けなかったのはしょうがなかったんだろ。要するにきつい言い方になるが、馬鹿は努力しても公立に進学できないんだよな。なのに何で橋本の言い分を受け入れ、言いくるめられてしまうんだよ。やっぱり馬鹿だからか。こういうのも含め少しは勉強すれば今の政治が如何に腐敗しているか分かるだろうに楽しむことばかり考え勉強しないのが有権者になるから結局の所、日本人は超右翼のポピュリスト(衆愚政治家、大衆迎合主義者)とイギリスの大手新聞社ガーディアンがいみじくも評している橋下徹を支持するし、日本維新の会も支持するし、それと似たり寄ったりの自民党も支持するし、自民党の下駄の雪である公明党も支持してしまう訳だ。リテラシーもポリシーもないもんだからそうなるし、だからこそ安易に出版した流行もんの猫の下僕の本は買うが、彫心鏤骨して編み出した努力の結晶ながらも埋もれてしまった文豪の本は、哀しいかな埋もれた儘、放っておくのだ。
嗚呼、俺は消えられるもんなら今すぐこの世から消えてしまいたい。自分が嫌だからじゃない。こんな世間が虫唾が走る程、嫌だからだ。嗚呼、愚かな有権者たち即ち俗物ども・・・ま、しかし、俗物があってこそ純文学が生まれる。元々純文学は俗物を風刺することによって生まれたものであるから文豪を目指す身にとって俗物とは切っても切れない持ちつ持たれつの関係にある。これを続けるのが俺の使命であり宿命だ。
と気障ったらしく思う小林は、現在25歳と若いが、小説を書いてはいるものの小説で食っている訳ではなく無職だ。ではパトロンがいるのかと言うと、そんな有難い者はいない。しかし、彼は節制に徹すれば、一生食って行けるだけの金を得た。どう得たのかと言うと・・・
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