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プロローグ
ここはアメリカ。とある州の小高い丘の上に、1軒の家が建っていた。2階建ての真っ白な家。庭もあり、そこの花壇には花も咲いている。この家の主の名は、アリス。年齢は80歳。
2階の自分の部屋で、机に向かうアリスおばあちゃん。机の1番下の引き出しを開け、1冊のノートを取り出し、ノートを机の上に置いた。
何故か不思議と色あせずにいるこのノートは、73年間閉ざしたノート。そこには、ある小説が書いてあり、完結をせずに眠ったままの小説。そのノートの存在を知る者は、アリスおばあちゃん以外に誰もいない。
この日、アリスおばあちゃんは奇妙な夢を見た。何故、今頃になってあんな夢を見たのか。やはり、あの小説を完結しなければならないのか。そう思いながらアリスおばあちゃんは、あの夢の物語を娘じゃなく、20歳になる孫娘に聞かせた。
すると、思ってもいない答えが返ってきた。
「面白かったよ、お祖母ちゃん。それ、小説にしたら?」
アリスおばあちゃんは、いったいどんな夢の物語を孫娘に聞かせたのか。果たして、あの小説は完結できるのか。完結の鍵を握るのは、12歳のアリスの夢の物語にある。
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