君が何より一番可愛い

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「今日は買い物に付き合ってくれてありがとう! すごく楽しみ! 」 光輔「気にすんな。いつも仕事で忙しくて全然デートできなてかったし。ごめんな。俺も何日も前から楽しみでなんか一昨日くらいからずっとそわそわしてた。だから、今日は葵の可愛い姿いっぱい見せて」 「あはは。そうなの?…実は私も」 「あれ、照れてる? 」 こんな冗談を言っているが、絶対に葵より俺の方が照れてるし、今日のデートを何よりも楽しみにしている。 同棲を始めてからというもの、いつも一緒に居られる関係に甘えてデートらしいデートしていなかったな、と反省。 もっともっと、デートの時間作らないとな。葵は、俺が忙しいと知っているから、我儘も言わずに我慢しているんだろうな。 そんな、葵のいじらしさにまた好きになる。 「ち、違うもん! 」 「はは、そういうことにしておくよ」 顔を赤らめる可愛い葵を見て、もっとからかってみたくなるが、如何せん俺も恥ずかしくなってこう言うのが精一杯だった。 楽しそうな葵の表情を見ると俺も楽しくなる。否が応でも目尻も下がり頬を緩ませてしまう。 ー服屋さんにて色々な服を見て彼女の気に入った服が見つかり試着 「この服どう? 似合ってる? 可愛くない? オフショルダーって言って肩出す服が最近流行ってるんだよ! 私的にはすっごく気に入ってるんだけど! 今度友達と遊ぶ時にでも着ようかな~。どう? どう? 」 「…。あー、まぁ、服は良いんじゃない? 」 露出が多いな。試着室から出た葵を見た最初の感想だ。スレンダーな体型の葵に似合っているし、とても可愛いが、この服を着て外に出られると俺の精神衛生上困る 「『服は』ってどういう意味? 」 「そのままの意味 」 可愛い葵を前にして、他の誰かが葵を見ているんじゃないかと、気が気ではない。 「似合ってないってこと? 」 「……。そうじゃないけど」 可愛すぎるんだよ!!! と大声で叫びたい。 そして、今すぐに着替えて欲しい。 「じゃあ、なに? 」 光輔「ちょっと派手すぎるし、葵っぽくないよ。他の服の方が良いんじゃない? ほら、2つ前に見てた服は? 」 頼む。心変わりしてくれ。 「地味だしあんまり好みじゃなかった・・・。流行っぽくもないし 」 「今着てる服よりは良いと思うけど。それにそんなに露出して誰に見せるつもり?他の男?友達って男? 」 「友達は女の子だし、そんなんじゃないよ! ただ、可愛いって思っただけ! そんな風に言われるなんて思ってなかった! もう、いいよ。・・・帰ろ 」 「……ああ」 あーあ、馬鹿な事を言った。自覚はちゃんとしている。 本当ならこう言いたかった。 葵に凄く似合ってる。だけど、可愛すぎて俺が嫉妬しちゃうから、家の中で着て。 なんて、こんなに束縛する権利俺にあるのか?葵が好きなもの、気に入ったものを制限したくない。葵には、もっと伸び伸びと好きに生きていて欲しい反面、俺の中の嫉妬心やら、庇護欲が独占欲が邪魔をして優しく見守る事が出来ない。 一緒の家に帰って来ても、葵は黙ったまんま。むくれてるのが表情で分かる。必死に無関心を装うとしているが、顔に出やすい事を自覚しているのか、していないのか。 それとも、怒っている事に気付いて欲しいのか。まぁ、後者だろうな。 「………」 「…まだ黙ってるの? 」 「………」 「なぁ、聞いてんの? 」 葵「…聞いてる。」 「…悪かった。試着した服見てあんまり可愛かったから、他の奴に見られたくなくて、さ。・・・あー、もう! 独占欲なんだよ! 葵の可愛い姿誰にも見られたくなかったんあだよ! 酷いこと言った。ごめん」 「・・・そうだったの? そう言ってくれたら良かったのに」 「恥ずかしくて、言えるわけないだろ! この際だし、恥ずかしついでに言うけど、今日のデートを楽しみにしてた葵も可愛い。俺のためにおしゃれしてくれる葵もすごく可愛い。葵はいつだってすごく可愛いし性格も何もかも好きだよ。葵が怒ってるから言ってるんじゃなくて、俺は葵が大好きだよ。最近は伝えられてなくてごめん。今日も悲しい思いさせてごめん 」 遂に自分の感情を爆発させてしまった。 ものすごく、恥ずかしいけど、葵との仲直りの方が先決。1分1秒だって悲しませたくない。原因は自分にあるのはわかってる。 でも、彼女が可愛いすぎるから悪い。と自分を無理矢理納得させる。 「も、もういいいよ! 分かった! 分かったから! 充分伝わってる!というか、言われてなかったとしても光輔の気持ちはすごく伝わってきてる」 「口下手でごめんな」 分かってくれてありがとう。 葵が大好きだ。いや、愛してる。 「ううん、良いの。光輔はいつも行動で示してくれてるよね? 今日の帰りも喧嘩してても重い荷物ずっと持っててくれてたし、私が買う服でいつまでも悩んでる時も嫌な顔一つせず付き合って一緒に服選んでくれてたし。他にもたくさん。ちゃんと、伝わってる。」 「そんなの当たり前だろ。それに、喧嘩してようがなんだろうが、葵の事はいつだって大好きなんだから。」 愛してるって言えば良かった。 俺の意気地無し。 「ありがとう。私も大好き。じゃあ、仲直りだね。」 「いや、まだだよ。」 「え? 」 「埋め合わせさせて。さっきの服買おう。他のも。葵が気に入った物全部。あの服、お前に凄く似合ってた。あの服着たお前がもっと見たい。でも外ではなるべく着ないで。俺だけの前にしてくれると助かる。」 「ふふふ、うん! 分かった! 光輔の前だけにする。じゃ、2回目のデートだね! たくさんデート出来て嬉しい! 」 「たくさんじゃない。これからもっともっとデート出来るように、2人の時間をたくさん作るから、こんな俺でも好きでいてくれる? 」 「もちろん! 」 葵の満面の笑顔につられて俺も笑顔になる。 いつもは、恥ずかしくて改まって言えないけど、愛してる。愛おしい。それ以上の言葉があれば、絶対そう思ってる。口下手で不器用な自分には思いつかないが、これだけは伝えられる。 葵が傍に居てくれるから頑張れる。葵と一緒だから、どんなに辛い事も乗り越えられる。 俺、葵にぞっこんじゃないか。 葵もそうだったら良いななんて。
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