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「拓兄ちゃん、僕のスイカはいつ頃食べられるかな?」
田代先輩の家からもらってきたスイカの苗は、主に真也が一生懸命に世話をした。
摘心を覚えて、残す子づるをどうするかも真也が選んだ。俺とじいちゃんは完全にサポートだ。
野菜が多い畑の一番日当たりの良い畝に、真也のスイカ畑が出来上がっていた。
毎日水をやって雑草を抜いて、花が咲き始めるのを心待ちにしていた真也。追肥を一握りあげて、又一生懸命に世話をする。
そして受粉も真也がやる。雌花か雄花かをちゃんと確認し、じいちゃんのレクチャー通りに花を選び人口受粉を行う。
スイカの収穫は受粉後の日数での判断となる。
小さな実がテニスボール大に成ったころに、又追肥だ。そして摘果も行う。
うちは家族が多いので最初から大玉狙い。
スイカは、授粉が成功した分だけ収穫することができるが、1玉に限定することで大きく丸く、甘いスイカにすることができる。
2本のつるに1玉でも充分に大玉スイカの大きさになる。真也の育てた分は全て真也に任せた。
その他、玉に色を上手につける工程とか、実を甘くするために水分管理とか色々あるのだが、俺は余り口を出さず、その辺はじいちゃんと真也のコンビプレイだ。
多少の失敗も、真也の中で次への布石になる。
まずはなんでも楽しんでやって欲しい。
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