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そして病院に着くとロビーにいた昂輝の姿を見つける。一階にあるスターバックスのコーヒーを持って飲んでいた。
「昂輝」
ちゃんと一人で来たな、美音はまだ家族以外は面会禁止だからウォルフが来ても会えない事は伝えてある(エルンストは家族!)
「おう、飲め」
手に持っていたもうひとつのタンブラーを渡される、まだ熱い。
俺もロビーの椅子に腰掛けた。
「美音はどんな具合だ?」
「盲腸が破裂寸前だったからな、通常よりは長引いている。でも大分元気になったよ」
「そうか、全く俺の留守中とはタイミングが悪かった。俺はバイトに行くと住居部分にも必ず寄って、いつも美音の様子を見てたんだ」
本当によ、間が悪いってもんじゃ無かった。
「ジェイの話もじいちゃんに聞いた。あいつは俺には近づいて来なかったからよく知らんかったよ。けどディアおばさん達が随分甘やかしているなとは思っていた」
身内がバカ製造器になってたんだ。抑止力にならんパターンか。
「美音をエルンスト師範の家に移すのは賛成だ、荷物を今日中にやっちまおう」
「うん」
コーヒーを飲み干したあと、二人で美音の病室に向かった。
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