生徒と教師

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『相馬…今日はどうしたの?』 セフレとホテルで待ち合わせし、ベッドの中。 『悪い…疲れてんのかな…』 『勃たせようと頑張ったけど、無理みたい』 可愛い口でご奉仕して貰っても勃たないなんて初めてだ。 目を閉じると、桐生のあの顔が浮かぶ。 この子もそこそこ好みだったから、セフレにしたのに。もう、終わりだな。 『悪い、今日は帰って寝るわ』 『次は絶対抱いてよね』 頬にちゅっとキスされ、別れる。 『誰か、勃たせてくれる奴いっかな…』 携帯の【セフレ】登録をスクロールする。 はぁ、もういいや。今夜は帰って飲んで寝よう。 イけてない身体は重い。部屋で熱いシャワーを浴びる。 桐生雅哉か…アイツを思い出した瞬間、ブワッと身体が反応する。自分で扱いてみる。 あ…イケる…気持ちイイ。 「はぁ…あぁ…うんっ…はぁはぁ…うわぁ、俺、ヤベェな」 初めて生徒でイった。 まずいな。生徒を好きになるなんてありえないのに。 俺は桐生の残像を掻き消し、ビールを煽る。 何とかしないと…アイツの授業は持ってないから会わないようにすればいい。 そのうち忘れるだろ。 あの桐生の告白から2週間。俺が避けてるのもあるだろうが、何の接触もない。 好きになれって言ったくせに。 好きになっちゃいけないのに。 何もないと、夢だったのかと思ってしまう。 こんな事考えてると、会っちゃうんだよ。 「行橋先生…」 「お…おお、桐生」 「僕の事避けてるでしょ?」 「いやぁ、そんな事は…ないぞ?」 「僕を好きになるのが怖いんでしょ?」 「…怖いんじゃない、ダメなんだよ」 「まだそんな事言ってんですね?」 「せめてお前が、高校生じゃなかったらな…」 しまった…言ってしまって後悔した。 ほら…桐生の泣きそうに悲しい、なのに美しい顔がまた焼き付く。 「ヒドい…どうにもならない事言わないでよ…そんな理由で、僕の想いを蔑ろにしないで…」 「悪かった。そうだよな、誰にもどうしようもない事だった」
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