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「じゃあ僕は、先生を諦めなきゃいけないの?歳が若いってだけで?」
「桐生…そんな顔するな。俺はお前が思ってるようなヤツじゃないんだ。そんな純粋に慕って貰える男じゃない」
「そんなの関係ない。ずっと好きで、1年生の時は見てるだけだった。先生が男の人とホテルに入ってくの見たこともある。それでも好きなんだ、どうしてもあなたが欲しい」
ドクン…ドクン…ドクン…
そんな前から俺を見てたのか?
今までのヤツの軽い告白とは違う、なんて純粋で激しくて美しいんだ。愛なんて信じていない俺がほだされそうになる。
「桐生…俺は…」
「先生…お願い。歳なんか関係なくちゃんと僕を見て、避けたりしないで…」
「桐生、悪いな」
俺は踵を返しその場を離れる。それしか出来なかった。
許されるなら、このままお前を奪い去りたい。
でも俺は真っ直ぐに俺を見つめる目から、逃げるしかなかった。
いつもの夕方の見回り、体育倉庫から物音がする。
まさかこんなとこで盛ってんじゃねーよな…
ガラッ
「お前ら、何やってる!」
4人がかりで押さえつけられ、上半身裸にされてたのは桐生だった。
俺は携帯で応援を呼びながら、桐生に駆け寄る。
「桐生、大丈夫か!?」
「はぁはぁ…せんせ…」
顔も上半身も殴られた跡がある。
「お前らーーーーーーー!」
俺は何も考えられなくなり、襲った4人に殴りかかる。
『行橋先生!ダメです!』
すんでのところで同僚の教師たちに静止される。
「行橋先生!落ち着いて!桐生を病院に!」
俺はハッとして桐生に駆け寄る。
「桐生、病院行こうな」
俺は桐生を横抱きにし、自分の車へと運ぶ。
「せんせ…僕…触らせなかったよ…あなた以外はイヤ…だ…」
「桐生!」
桐生は意識を失った。
「クソッ」
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