俺が守る

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俺が守る

「先生、ごめん…僕、親に何ともないから帰って来なくて良いって行った。すぐ近くに先生も住んでるから何かあったら頼るって」 「謝る事ない、それでいい。さっきお前の父親から電話入ったよ。ちゃんと話した、俺が責任持って守るって言ったから。心配せずに寝ろ。ここにいるから」 「うん…先生ありがとう。おやすみ」 桐生は薬の効きもあり静かに眠った。 静かな寝息を聞きながら、俺は誓った。 お前は俺が守るから。二度とこんな目には遭わせない。 クソ…アイツらマジで許せねぇ。でも、俺に何かあったら、コイツを守れねぇし。 警察行くか退学かの選択に、アイツらの親は退学を選んだ。でも報復に来るかも知れねーし。 俺がコイツを守る、全てをかけて。 「ふ…寝てるくせに、ぎっちり手握りやがって。可愛いやつ」 俺は桐生の額に、ひとつキスをしその寝顔を見つめ続けた。 なんだ…温かくて気持ちいい。誰かが俺の頭を撫でてる。俺はいつの間にか桐生のベッドに突っ伏して眠っていた。 「ん…」 「先生…起きた?」 「桐生…悪い…寝てたか」 「ふふ、先生…可愛い寝顔だったよ」 「バカやろう、身体大丈夫か?」 「うん、だいぶいい。先生、学校行かないと」 「ああ、そうか…一度帰らないとな」 「ごめん先生、それ僕の血…」 俺の白いワイシャツにべったりと赤い血の跡。 「大丈夫だよ。夜、また来るな。ひとりで平気か?」 「大丈夫だよ。子供じゃないんだ…先生を待ってる」 「なるべく早く来る、いい子にしてろよ」 「また、子供扱いするんだから」 桐生は拗ねて唇を尖らせる。 「それはキスのおねだりか?」 「そう思うならそうして…」 ほらまた…その顔。もう、抗えない。 ちゅ… 「じゃあな」 「うん、後でね。先生、お願いだからアイツらに何もしないで。先生に何かあったら耐えられない」 「…わかってる、それにアイツらもういないから」
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