くるみの木のパン屋さん〈2話〉~にんじんカカリパンのお話~

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 さむいさむい(ふゆ)が、くるみおばさんが()んでいる森にもやってきました。  くるみおばさんは、(ふゆ)がなんとなくいやでした。  (ふゆ)になって(ゆき)がふってくると、どうぶつたちはみんな(いえ)にこもったり、冬眠(とうみん)してしまったりして、とてもゆううつだからなのです。  それに、パン()もはんじょうしません。  ある日、とうとう初雪(はつゆき)がふってきました。  くるみおばさんはゆううつそうに、(まど)から(そと)をながめます。(そと)にいたどうぶつたちも、みんな(いえ)へといそぎ(かえ)っていきます。  そして(よる)じゅう、(ゆき)はふり(つづ)けました。  (つぎ)の日の(あさ)。  くるみおばさんはあくびをしながら、(そと)()ました。  そして、 「ひゃあ、さむぅい!」  と悲鳴(ひめい)のような(こえ)をあげました。  ()ると、あたりは銀世界(ぎんせかい)です。  (いま)(かお)()したばかりの太陽(たいよう)(ひかり)があたり一面(いちめん)ふりそそぎ、野原(のはら)(ゆき)はダイヤモンドのようにかがやいています。  くるみおばさんは、おどろきながらまわりの景色(けしき)()いりました。(ふゆ)(つめ)たい空気(くうき)が、ほおをかすめます。 「きれい……」  くるみおばさんは、(おも)わずつぶやきました。  そのとき、はっとわれにかえって、 「わぁ、たいへん! パンを()くのをわすれてたっ」  あわてて(みせ)にもどりました。
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