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8.伝えたい気持ち
その日の仕事終わりに、俺は店を出てから駅に向かっていつもの夜道を歩いていた。
先輩の仕事はまだ終わらないはずなので、焦る必要はない。
今日は家ではなく、駅近くで少し顔を合わせるだけ。でも今は、ほんの少し先輩の顔が見れるだけでいい。
早く、会いたい。
そんなことを考えながら歩いていると突然、後ろから
「志ー衣君」
と、よく知った声に名前を呼ばれる。
慌てて振り返ると……不敵な笑みを浮かべて俺を見つめる莉真さんの姿があった。
「莉真さん……」
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