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……先輩のその言葉に、心がスッと軽くなるのを感じた。
そうだ。今まで頑張ってきたことはきっと、こんな写真くらいで崩れたりしない……。
「……何なのよ」
先輩に怯み始めたのか、莉真さんの声が急に震え出す。それでも、その震えを誤魔化すかのように彼女は声を荒げる。
「あんた達、二人して気持ち悪いのよ! 男同士で付き合うのが普通だと思ってんの⁉︎
人間はみんな平等だとか綺麗事言う奴もいるけど、普通の人間の大半は同性愛なんてキモいと思ってんのよ!」
「……そうかもしれないね」
「え……?」
何が普通とか、難しくて俺にはよく分からないけど……
それでも、俺が先輩を好きな気持ちはこの先もずっと変わらない。誰に何と言われようと、絶対に。
俺には先輩だけ。
だからーー。
「莉真さんに何を言われても、俺はずっとこの人のことが好きなんだ。ただそれだけだよ」
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