2.複雑な再会

6/13
前へ
/133ページ
次へ
「い、いやいや。何言ってるんですか。俺が更新してるんですよ」 「お前、そういうことやるタイプじゃなかっただろ」 「じゅ、十年経ったら色々変わるんですよ」 「俺には分かるんだよ」 「……っ」 真っ直ぐな瞳で見られながらそう言われ……思わずドキッとしてしまった。 それと同時に、これ以上は誤魔化せそうにないと悟る。 俺は俯きがちになりながら、ゆっくりと言葉を発した。 「……あのSNSは、職場の店長が更新してるんです。で、でも他の人には内緒にしてくれませんか?」 ファミーユの従業員しか知らない秘密を、世間に知られるわけにはいかない……。だから先輩を、何とか口止めしないと……。 すると先輩はーー。 「ん? 別に誰かにバラそうなんて最初から思ってない。不安にさせたなら悪かったな」
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

953人が本棚に入れています
本棚に追加