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「あ……そんな、こちらこそ何か、すみません……」
……クールなのに優しくて、人が嫌がることは絶対にしない。そんなところは、十年前の先輩と全く変わっていない……。
……変わっていなくて、少し嬉しい……。
とにかく、SNSの秘密をバラされるかも、なんていらない心配だったらしい。
「インフルエンサーになってるお前をSNSで初めて見つけた時はさすがに驚いたけどな。東京にいるなら会いたい気持ちもあったけど、今さら連絡するのも迷惑かなと思って、やめておいた。まあ今日は仕事の話もしたいし、大目に見てくれ」
「め、迷惑だなんて思ってないです……」
どうしよう。
先輩があの頃から良い意味で変わってないと分かった途端、さっきまでの緊張感とは別の意味でドキドキしてきてしまった……。
仕方ないじゃないか。元々、嫌いで別れたわけじゃないんだから……。
そんなことを考えていたら先輩のコーヒーが運ばれてきた。
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