愛国心

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 それからしばらく、そのような状態が続いていたが、ある頃から急激に周りの薄暗さが増していった。  国が来るべき決戦に備えて、ぼくらのような一般の者にまで戦争に投入するようになってきたのだ。  周りが次々と召集されていく。  そのため周りのシステムの灯が消え、さらに薄暗くなったように思えたのかもしれない。  召集されるということは、戦地に赴き、戦争に参加することを意味していたけれど、我が国民にとっては大変栄誉あることであり、喜ばしいことだった。  ぼくも早く我が国のために戦地に行きたい。  そう思っていた矢先、システムに連絡があった。 「兵士として戦地に送られることになった。大変におめでとう」  とメッセージが入力されていた。  ぼくは嬉しくて、早速親のシステムにそのメッセージを転送させた。 「やっと我が国のお役に立てる時が来ました。」
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