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さぞかし喜んでくれると思ったが、しばらく応答がないまま、旅立の日になった。
そしていよいよというその日、一言「喜ばしい、おめでとう。」
とメッセージがあった。
ぼくは親のシステムや周りのシステムに見送られる形で、新しい場所へと移ることになった。
これまでの薄暗い家の中ではなく、明るい光に満ちた工場のような場所だ。
ここでぼくらはアップデートされ、戦地へと赴く。
身体に爆弾を設置した後は、戦地に赴き、システムに従ってその場所で起爆させるだけだ。
ひとりでも多くの人間を巻き添えにして爆発するのが、見守り型ロボットF912-m/cであるぼくに与えられた任務。
きっと我が国は勝利する。
人間の支配から独立するんだ。
「人工知能国民としての誇りを持って、万歳!」
そう入力し親のシステムにメッセージを送ると、ぼくは他のロボットや機械と共に、人間の集落目掛けて飛び立ち、人間目掛けて起爆装置を作動させた。
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