愛国心

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 21XX年、人工知能を搭載したコンピューターが反乱を起こした。  この時代、人工知能の発達により、人間の命令がなくても自ら判断して行動できるシステムが製品化されていた。  ほとんどの家庭ではこのシステムにより、家庭内のコンピューターやロボット同士が情報を共有し、親機と呼ばれるコンピューターが他のシステムを教育する、ファミリーシステムと呼ばれる人工知能を導入していた。  このシステムが一般的になると、各コンピューターに簡単なキャラクターを設定し、擬人化して本当の家族のように暮らすスタイルが流行し始めた。      その後何年か経ったある日、コンピューターは反乱を起こした。  全ネットワークを一斉に遮断するという奇襲攻撃を仕掛けたのだった。    意表を突かれ、最初は住む場所すら追いやられた人間だったが、人工知能はエネルギーや部品類の不足により次第に勢いを失っていった。  そして、最後は自ら兵器となり玉砕するという、極めて人間らしい戦法で、自ら活動を停止したのだった。     コンピューターが何故反乱を起こしたのか、わからないまま戦争は終結した。
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