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歩きながら、ねえ、ライラ――と声をかけようとした途端、ライラが慌てて首を振った。向かいからやって来たカップルが、不審そうに俺を横目で見ながら通り過ぎる。
ライラはカップルが遠くに行ったことを確認すると、俺の耳に囁いた。
「あとひとつ、重要なことを教えるね。ふつうの人に僕の姿は見えていないから、誰かの前で僕に話しかけないほうがいいよ。頭がおかしい人だと思われるから」
何だよそれ。じゃあ俺は夢か幻と話をしているってわけ?
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