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「……ねえ、ライちゃん。もう終わったような気分になってるけど、本番はここからだからね?」
「ふええっ?」
身体を起こし、バラの香油の瓶を創り出した。それを指先に塗りこめる。おまけにライラの脚のあいだに垂らし、指を這わせた。
「触るよ」
「ちょっと待っ……あっ……んあぁぁん」
またライラの腰が弓形にしなった。怯えるように、俺の首に腕を伸ばす。
――痛いかな。初めてだし、ちょっと丁寧にほぐさないと。
と、思ったところで気づく。
――俺はもうこの物語の主で、この物語を好きに変えられて、ライラはこの物語の一部。ってことは、俺がそう願えば、簡単にここも開くのでは? さっきの味も俺が変えてしまったらしいし。
そうイメージした途端、楽に指先が入り込んだ。
「……ああっ」
ライラが甘い息を漏らし、俺の首にすがりつく。やっぱり上手くいった。
――いや待て。そんなことが可能なら、ライラの性感帯をいまの何倍にも増やすことだって……
慌てて、その考えを頭の中から締め出した。
――いいいいやいやいや、それはダメだろ! 勝手に他人の身体の構造を作り変えるなんて! 味はともかくとして、ライラは大人のオモチャ(?)じゃないんだからさぁっ!!
「……リュカ、どうしたの。何か変なこと考えてない?」
指の動きを止めた俺に、ライラが不審げな声を出す。勘が鋭い。
「……ライちゃん、俺、ほんとバカでごめんね」
「うん。知ってる。でもそんなバカでスケベなリュカが大好き」
そう言って俺の唇に小鳥のようなキスをする。
ああもう、貪り尽くしたいほどカワイイ!!
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