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[浴衣とうちわ]
熊田が入ってもゆったりとした風呂に長めに浸かっていたから風呂から上がった後は少し暑くて手で顔を仰ぐ。
「のぼせちゃった? うちわあるよ」
司狼が棚から出してくれたうちわを受け取った。
「お風呂上りの熊田、色っぽいね」
熱かったので胸を開けていた。それを言われたのだろうと衿を掴んで閉める。
「別に隠さなくても。いい体をしているんだから」
力仕事をしているので筋肉がついただけ。他の大工も同じような体つきをしていた。
「俺だけじゃないですよ」
手を離してうちわで風を送ればはたはたと衿が揺れて肌が見え隠れする。
「そうだね」
ふふ、と司狼が笑い肩をポンと叩いた。
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