イラストに合わせて作品を創ってみよう!

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「熊一、お前は口下手なんだね」 「あ……」  好きだと言ってくれたが、勘違いだったと気が付くだろう。こんな男は嫌だろうから。 「すみません」  位置を変えて司狼に背中を向けると自分を強く抱きしめた。  また一人に戻る。それが悲しいと思ってしまったから。 「熊一。俺はねそんな所も丸めて好きなんだよ」  司狼がそう言い、後ろから抱きしめられた。 「大神、さん」 「熊一はそのままでいい。その分、俺がいっぱい話をするから」  ね、と顔を背中にくっつける。 「大神さん」  そんなことを言ってくれる人は司狼だけだ。  じわじわと心が、抱きしめられた体が熱くなる。 「大神さん、ありがとう」  身をよじり再び向かうカタチになる。今度は自分が抱きしめるかたちになると司狼の耳が口のあたりにある。  くすぐったくて小さく笑うと、司狼が顔をあげて熊一の唇へと自分の唇を重ねた。 「お、な」  大神さん何を。そう言いたかったが、あまりに驚いて口にすることができなかった。 「熊一があまりに可愛いから。ふふ、今だってそうだよ?」  真っ赤に染まって熟れたトマトのようだと司狼の手が両頬に触れた。 「はうっ、もう、無理っ」  考えることが無理だ。用量を一気に超えてしまったから。 「前にも言われたね。だから言ったじゃない。逃げても無駄だよって」  と大神に組み敷かれた。  自分よりも細く力がないのに。今の自分では彼を振り払えない。 「俺はね。狙った獲物は逃さないから、覚悟して」  ぺろりと唇を舐める司狼は捕食者のよう。  このまま彼に食われてしまう。  怖い。目頭が熱くなってくる。  こんな大柄な男が泣くなんて恥ずかしいのに我慢ができない。 「泣かないで熊一。怖くないからね」  優しく口づけて、手が肌をなでる。 「大丈夫だよ」 「う、うっ」  何度も言われてやっと気持ちが落ち着いて。司狼を抱きしめる。 「熊一、俺に身を任せて。気持ちよくするだけだから。ね?」 「うう」 「怖くないよ」 「……はい」  その言葉を信じ熊一は司郎に身をゆだねることにしたのだが、後々それを後悔することとなるのだった。
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