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「は、たまたま勝てたからと偉そうに。次は必ず勝氏つし男としても負けない」
「やれるものならやって……おっ」
ふいに肩を押されて床の上へと押し倒された。
とっさにコップの中味がこぼれぬようにテーブルに置いたことを褒めてもらいたい。
「おま、真っ白なカーペットが汚れるところだったぞ」
「はっ、汚れたらお前が掃除をすればいい」
潔癖に見えてずぼらな男は間違いなく高坂に掃除をさせるだろう。
「それで?」
「俺の方が男としても上だということを教えてやるよ」
向こうからキスをしてきたのははじめてだ。しかも主導権を握ったまま食らいつくそうとしていた。
男としてやられっぱなしではいられない。
腰を抱きしめて体位を逆転させニヤリと笑う。
「俺に勝とうなんざ早い……て、おい!」
冷たい瞳は閉じられ寝息が聞こえてくる。
まさかあのキスで眠ってしまうなんて。
「くそ、勝ち逃げってか」
盛り上がった気持ちをどうしてくれるのか。
一筋縄ではいかない相手だ。だが、そういうところも高坂にとってはたまらない。
「はぁ。この部屋はお前の匂いが充満していてやばいってぇのに」
眠る立花を見てため息。はりつめた下半身を見て自分の右手で我慢しろよと心で呟き、彼を抱き上げると寝室へと運んだ。
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