第一章◆すべては止まる

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『俺さ、ちょっと前にすっげー嫌なことがあってさ』 『嫌なことがあると、ずっとずっと引きずる感じで』 『どうしてもダークな気分になっちゃってね』 『それが止められないんだ』 ん?これまた珍しく、弱気じゃん。   『どうしたー?』   『なんかあったの??』   『カナデくんは正義感強そうだからなー』   『私に愚痴ったっていいんだからねー』 『うん、大丈夫、大丈夫』 『自分なりの気分転換って言うかさ』 『解決する方法って言うのかな』 『そんなのはあるんだ』 『…なら言わなきゃいいとか思ってるよね?』 『ごめんごめん!』   『んーん、全然いいよ』   『愚痴りたくなったらいつでもどうぞ!』   『まぁさ、恋の悩みとかでもいいからね』   『私、恋愛博士って自称してるくらいだし』   『ちょー得意分野だよ』   『だからなんでも聞くからねー』 『はは!それは初耳だなー!』 『…てか、自称かよっ!』 『ありがとう』 『あーちゃんはいい奴だなー!』
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