第一章◆すべては止まる

17/19
前へ
/197ページ
次へ
「あいよー。どこに行けばいい?」 迷うことなく即答してくれる、いつでも付き合いのいい璃咲。大好きだよっ! 場所は悩んだ挙句、結局いつもの駅で待ち合わせをすることになった。 電話からわずか30分後。 「おー、早いっ!ありがとねー。急に呼び出ししちゃってゴメンね」 「いいよ。私もちょうど暇してたし、大丈夫!」 とりあえずどこに向かうでもなく、私達はぶらぶらとし始めた。 いろんなお店を回り、話したい話も一段落した頃。 そういえば…と、璃咲が掛け時計を見たいというので、私達は雑貨屋さんに行くことにしたんだ。 「私の部屋にある時計ってさ、目覚まし時計で使ってるのしかないんだよね。壁に掛けるやつでかわいいのないかなー」 「うんうん、さっき行ったあそこの店、結構種類があったじゃんね。もう一回あそこに行こっか」 いつも来る、私達のお気に入りの雑貨屋さん。 今はセール中みたいだけど、平日ということもあってか店内のお客さんはまばらだった。 「あ、この時計かわいくない!?あー、あれもいいな!」 新作がいくつも入荷した時計コーナーに、興奮を隠せずにはしゃぎまくる璃咲。 普段は割とクールなのに、かわいいものには目がないんだよね。 いやー…今日も無邪気でかわいいなー。
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加