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第二章◆ここにいるよ
どれくらい時が経ったんだろうな…。
止まった時に対して、どれくらい経ったのかっていうのもおかしな話なんだけど。
あくまで体感ではだけど、もうすでに何時間も過ぎたような気がする。
瞬きさえできず、同じ風景が目の前に焼き付いていて、全く動かない。
気が狂いそう…。
私は死んでしまったの?
これが死後の世界だとでもいうの…?
動くこともできないから、眠ることさえできない。
永遠って、素敵な言葉。
大好きな言葉なんだ。
…でも、こんな永遠なんていらないよ…。
もしも私がこのままずっと………
「……たしが…」
…え?
「……………が…ま…………るよ……」
完全なる静寂の中でかすかに聞こえる、蚊の鳴くような小さな声。
近いようで遠く、何を言っているのかは聞き取れなかった。
…今のはなんだろうと思った次の瞬間、目の前は真っ白になり、意識はゆっくりと遠退いていった…。
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