第一章◆すべては止まる

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第一章◆すべては止まる

「お疲れ様でーす」 「お疲れ様ねーっ」 今日のバイトもやっと終わり。 私はファミレスでバイトをしている。 あー、今日は特に忙しかったなぁー…。 そうつぶやきながら、バックヤードへと続く扉を開く。 戦場から帰還し、安息の地である控え室へやっと辿り着いたよ…だなんて、言いすぎかな? ふー、暑い暑い。 今は12月。 冬とはいえ暖房の効いた室内で走り回ったから、結構汗をかいちゃった。 「……ねぇ、綾音、聞いてる?」 「…え?あぁ、ごめんごめん璃咲。えーっと…なんだっけ?」 「綾音はいつもそうだよねー。時々スイッチがオフになっちゃうって言うか…」 うーん、疲れてるのかな? なんだかぼーっとして、話が全く入って来ない時があるんだよね。 何も考えていないんじゃないか…なんて言われて悔しいけど、時々ぽっかりと記憶の空白があるのは否めないんだ。 みんなにはよく『天然キャラだねー』なんて言われるけど、それを直すにはどこをどうすれば良いんだろうなー。
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