第二章◆ここにいるよ

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「あのごたごたの直後にさ、急に思い立って二人で温泉旅行に行ったじゃん。あの時に…」 「…ん?…………あーっ!あれかっ!」 そう言うと、璃咲は大爆笑。 失礼にも程があるよ。 「あははははは!あれね、あれ。ナイトくん失踪事件ねっ!」 「…笑い事じゃないんだからー。20年近い付き合いだったんだよー」 物心がつくかつかないか、そのくらい小さい頃。 どこか地方の遊園地に行った時、お父さんが買ってくれた騎士のお人形。 なんだかとにかく気に入ってしまって、ベッドのすぐ横のメタルラックの上の方、部屋を見渡せる特等席に、いつも置いていたんだ。 肌身離さず…とは言わないけど、たまに持ってお出かけもしていたし、泊まりの旅行に行く時には置いていく気になれず、お守りみたいな感じで必ず持っていっていたのに。
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