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駅までの道。
店が立ち並ぶ広い歩道をのんびりと歩いていると、右肩にがしっと強い衝撃が走った。
何かにぶつかってしまったのかな?何かが落ちてきたの?
一瞬にしてそんな考えを巡らせつつ、びっくりして反射的に振り返る。
…私は見知らぬ男性に、肩を掴まれていた。
「ねーねーお姉さんたちー、暇?俺らそこで飲んでてさ。今から二軒目行くとこなんだけど、一緒に行かない?」
二人組の男性で、歳は20代半ばくらいかな。
泥酔したノリで…と言う感じでもなく、割としっかりとした表情と口調だった。
二人とも似たような風貌で、やや細身、中途半端な長髪で、チャラそうな感じだ。
わー、めんどくさいなー。どっかいってくれないかなー。
璃咲と飲みに行くと、だいたいこんなのに絡まれるんだよね。
誰にも見向きもされないよりはいいのかも知れないけど、こんなのに声をかけられても別に嬉しくもないよなー。
で、私も璃咲もこういうのは慣れたもんだから、「あ、私達明日早いんでー。すみませーん」とだけ言い、少し早足でそのまま駅へと向かった。
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