第三章◆再開

6/18
前へ
/197ページ
次へ
ドン!!! 痛いっ!! 璃咲よりも半歩ほど斜め後ろを歩いていた私は、強い力で背中をぐいっと押された。 ヒールを履いていたし、少し酔っていたこと、さらには振り返ろうとした瞬間だったのも重なって、私は激しくバランスを崩してしまった。 「わぁっ!!」「あっ!!」 私と璃咲がほぼ同時に叫んだ。 …やばいやばい!転ぶ!!! 顔から落ちそうになり、反射的に手を…肘を着こうかとした、その瞬間だった。 ドスッ!! 急激に目の前を流れ始めた冷たい景色が、ふっと止まった。 …私は、ゴツゴツとしたような何かに包まれたんだ。 「…!?」 そしてそれは歩道に叩き付けられた衝撃などではなく、痛みもなかった。
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加