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ドン!!!
痛いっ!!
璃咲よりも半歩ほど斜め後ろを歩いていた私は、強い力で背中をぐいっと押された。
ヒールを履いていたし、少し酔っていたこと、さらには振り返ろうとした瞬間だったのも重なって、私は激しくバランスを崩してしまった。
「わぁっ!!」「あっ!!」
私と璃咲がほぼ同時に叫んだ。
…やばいやばい!転ぶ!!!
顔から落ちそうになり、反射的に手を…肘を着こうかとした、その瞬間だった。
ドスッ!!
急激に目の前を流れ始めた冷たい景色が、ふっと止まった。
…私は、ゴツゴツとしたような何かに包まれたんだ。
「…!?」
そしてそれは歩道に叩き付けられた衝撃などではなく、痛みもなかった。
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