第三章◆再開

7/18
前へ
/197ページ
次へ
「おおっととと。大丈夫かい?」 私を包んだ、突然現れたおっきな壁。 その正体は、背が高くてがっちりとした体格の男性だった。 歳は同じか、少し上くらいかな。 通りすがりのすれ違いざまに、転ぶ直前の私を抱えて守ってくれたみたい。 タイミングがうまく合ったのもあるだろうけど、ありえないほどの物凄い反射神経だなー。 びっくりしすぎて立ち尽くし、お礼も言えずにいた私。 「うん、良かった。大丈夫そうだな」 体を起こしてくれて、私の肩をぽんっと一度叩き、その男性はにっこり笑った。 そして次の瞬間振り返り、私を押した男の両肩をぐぐぐと掴んだ。 肩を掴まれた男の着ている服の上着は、ミシミシというかブチブチといったような鈍い音をたてている。 「ううあうぁ…!!!!」 「女の子に手を上げたりしちゃあダメだよな?分かる?わーかーるーよーなーーー??」 後半は耳元で、声を殺しながらも地鳴りのような激しい低音で、威圧するように発せられていた。 わーっ!めちゃくちゃ迫力あるなーっ!
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加