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「おおっととと。大丈夫かい?」
私を包んだ、突然現れたおっきな壁。
その正体は、背が高くてがっちりとした体格の男性だった。
歳は同じか、少し上くらいかな。
通りすがりのすれ違いざまに、転ぶ直前の私を抱えて守ってくれたみたい。
タイミングがうまく合ったのもあるだろうけど、ありえないほどの物凄い反射神経だなー。
びっくりしすぎて立ち尽くし、お礼も言えずにいた私。
「うん、良かった。大丈夫そうだな」
体を起こしてくれて、私の肩をぽんっと一度叩き、その男性はにっこり笑った。
そして次の瞬間振り返り、私を押した男の両肩をぐぐぐと掴んだ。
肩を掴まれた男の着ている服の上着は、ミシミシというかブチブチといったような鈍い音をたてている。
「ううあうぁ…!!!!」
「女の子に手を上げたりしちゃあダメだよな?分かる?わーかーるーよーなーーー??」
後半は耳元で、声を殺しながらも地鳴りのような激しい低音で、威圧するように発せられていた。
わーっ!めちゃくちゃ迫力あるなーっ!
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