第三章◆再開

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「す、すいませんでしたぁ!」 二人組がその言葉を発すると同時に、拳を握っていた手はぱっと離された。 それから間もなく、振り返ることもなく、その二人はよろよろとしつつも足早に去っていった。 おーっ!なんだかすごい。 握っただけで追い返したよ。 この人どんだけ握力あるんだろうなぁ…。 「まぁこれで大丈夫だろう。お、ケガしてない?捻ったりして、痛いとことかはない?」 ほんの少し前とは全く違う、穏やかな表情で話しかけてきた。 「はい、大丈夫です。ありがとうございました!」 「うんうん、大丈夫ならいいんだ。とりあえず平和的な解決ができて、よかったよかった」 …え?平和的な解決?? めっちゃ武力行使していたような…。 璃咲を見ると、どうやら同じことを考えていたらしく、お互い苦笑した。 「本当にありがとうございました」 「じゃ、俺はこれで。ちょっと人集まって来ちゃったしさ。まーこれ以上関わって、下心あって助けたんだみたく思われるのも嫌だしな!」 思わないし。 むしろ、その発想が笑えたりする。 それらが冗談なのか本気なのかは分からないけど、和やかなムードになり、ほっとして落ち着いてきた時だった。 「…んん?」 あれれ?なんだろう。 男性は急に私の顔を覗きこみ、眉間にシワをよせて唸り始めた。
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