第一章◆すべては止まる

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高二から始めたこのバイト。 受験期間に半年くらい休んだりはしたけど、かれこれ6年くらいはやってるんだよね。 振り返れば、なかなか長い。 頑張ったなー、私。 この6年、いろいろあったなぁ…。 このバイトを紹介してくれたのは親友の璃咲だった。 もともと仲は良かったんだけど、同じとこでバイトするようになってからはますます仲良くなったよね。 そしてこの仕事。 褒められたり、喜ばれたり、そして怒られたり…と、いろんな経験をさせてもらったなぁ。 からかわれたりするのも日常茶飯事だし、ナンパされたりってのもちょくちょくあったんだよね。 絶対に私よりも璃咲のほうがかわいいし美人なんだけど、良くも悪くも絡まれるのはいつも私のほう。 璃咲には『綾音は隙がありすぎるんだよ』なんて言われるんだけど、自分ではよく分からないよ。 どんな人にも満足して帰ってほしいってのはあるんだけど、それだけの話なのにね。 そうだよ、なんだかおこがましいかもしれないけど、来てくれたすべての人をほんのちょっぴり幸せにできたら…なんて思いながら日々の仕事をしているつもりなんだ。 どんな時でも笑顔。 これだけは自信があるよ。
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