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湯船に二人で浸かると一杯一杯で、フォークハグのようにしていても狭かった。背中から抱かれて入ると腰のところにさわさわ当たるものがあり、セックスするより恥ずかしくて紛らわしたくなる。
「僕のこと、いつからそんなふうに思うようになったんですか」
夏生は訊いてみた。高岡は夏生の前に腕を回しお湯で遊びながら、んー、と言う。
「俺、最初はなっちゃん苦手だったんだよ」
「えー」
結構、衝撃だった。
「何でですか」
「いい子すぎたから」
「何それ」
「まあ、あの頃の俺は拗らせて超僻んでたから」
「そんな気配なんて微塵も感じなかった。先生、優しかったし」
「そりゃ仕事だもん。上手にはするよ。大人だし」
あっけらかんと言われるので、なぜだか腹も立たなかった。
「1学期だけの付き合いだって、わかってたしね」
「知ってたんだ」
「年度計画があるからね、時間変更があるのはわかってた。直ぐに縁が切れるんだから、取り敢えず良い人しとけって思ってた」
「僕、嫌われるようなことをしましたか」
夏生からしたら、苦手視されるなんて身に覚えのない話で、理由が知りたかった。
「行ったでしょう。いい子すぎだって。なっちゃん、礼儀正しくてキラキラのいい子だったから、一生懸命両親の理想の子をやっていた自分を見ているみたいで、キツかったんだよ。コイツ、いい子ぶってんしゃねえよって、思ったり」
「僕、全然そんなんじゃないですよ。結構、素ですから」
「だよね。それは知ってる」
高岡の手は夏生の下腹部に降りてきていて、陰毛をそよそよ漉いたり軽くペニスに触ったりしていて、されている夏生はひたすらに気持ち良かった。性的な意味でなく可愛がられて愛撫されている感じだった。
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